ジョニー・デップ主演「MINAMATA」が最近WOWOWで放送されました。
公開当時はコロナが気になって映画館に行けなかった…。
今日は録画したものを子供と鑑賞。
以下、個人的な感想。
ユージン・スミスの視点から、どのようにして水俣と関わるようになったかを描いています。
そういう側面は面白かった。
富士フィルムのCM出演依頼が関わっていたんですね。
Youtubeには昔のCM映像が沢山アップされていて、僕は好きでよく見ているんですが、1971年のCM の中にまさにそのCMがあったんです。多分、このCMのことだと思います。
今回、CMの背景を知ってあらためて驚きました。
しかし! 観ていて、「水俣病」の怖さは伝わって来ないなあ…。
なかなかきちんと映さない患者さんの姿も、まるでモンスターが徐々に姿を現してくる印象。
とても敬意を払ってるとは思えない…。
最後に出てきた有名な母娘のお風呂の写真も、キリスト教的なものと被ってきて。
えー、そういう風に描く?あんたらのモノサシでモノ見るなよ…、と言いたくなった。
いや、うーん、いいのかなあ…。西洋的な価値観を知るという意味では。
でも鼻持ちならないのが、文明国のアメリカが素朴で開発途上な国の人々を一部の特権階級の搾取から救ってやる…という、いつものパターン。
この映画でも、これ持ってくるかよ〜。
アメリカ人が観たら、スッキリする映画じゃないかな?
若い子が初めて「水俣病」知るには良い機会を作ってくれた映画…ではあると思います。
あくまでユージン・スミスを中心に描かれている印象で、事件の恐ろしさや患者の悲劇が全然描き切れてないかなあ。
まあ、苦情を並べたけど、これまで僕が観た「水俣病」に関する映像はほぼドキュメンタリーなので、ストーリー性をもった映画とは異なるのは当たり前。しかも現代西洋人の視点。映画だから当然収益上げないといけない。だから日本という国をステレオタイプで描いて、外国人ウケを狙ったのかも…?
いろいろ大人の事情もあったかも知れませんね。
でも「水俣」と名がつく作品にそれはやって欲しくないよなあ…。
映画の最後に流れるエンディングの曲では、現在でも問題が継続していることやアメリカを含め各国の企業が起こした公害被害を訴えている説明文、写真が映し出されます。
僕も知らなかった被害が沢山。普段は日本にしか目がいかないんですよね。
それを考えると、やはり世界中でいろんな企業が起こしている被害を知るきっかけを与える映画…ということかなあ。
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